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皆さん、こんにちは。学びの庭・塾長の柳です。
先日、中学生に10分間作文を実施しました。
長野県の高校入試(国語)で問われる課題なので、
それに合わせた字数の、こんな出題です。
Q
金子みすゞの『私と小鳥と鈴と』の末尾、
「みんなちがって、みんないい」。
この考え方にあなたは賛成か、反対か。
また、その理由も書きなさい。
「みんなちがって、みんないい」という
ものの考え方の、良い面と悪い面、
両方に触れること。(80~100字)
さまざまなレベルでの解答があったのですが、
なかでも、ごく平易な言葉を使って、
みごとに弁証法が使えている解答を作った
生徒さんがいましたので、
その作文をここで紹介します。
A (生徒さんの解答例)
私は「みんな違ってみんな良い」に賛成する。
みんな違っていると個性があっていいと思う。
だが、みんな違うからいざこざが起きてしまう。
しかし、いざこざがあるから成長する場面もあ
る。だから、私は賛成だ。(98字)
いかがでしょうか。
綺麗に起承転結、
正(テーゼ)反(アンチテーゼ)合(ジンテーゼ)にも
合致していますね。
起 賛成(自分の意見の表明)
承 個性(自分の意見の理由、良い面)=正
転 いざこざ(悪い面)=反
結 成長(悪い面を乗り越えたもの)=合
という全体の構成が際立っています。
とりわけ、「成長」という、
良い面、悪い面をより高い次元で解決する
第三項が書かれた点がいいですね。
塾長も、一応、解答例を作っておきました。
(塾長の発問には必ず想定した答えがあります。
そうでないと、言いっ放しの問いかけに
なってしまう可能性があるからです。)
A (塾長が用意した解答例)
私は「みんなちがって、みんないい」という考
えに賛成だ。なぜなら、個性は尊重されるべきだ
からだ。しかし、自分勝手や怠慢も正当化されて
は困る。だから、「個性を認め合い伸ばし合うの
がいい」と理解すべきだ。(99字)
う~む。生徒さんの解答のほうがいいですね。
塾長の作文は、
「なぜなら、」「しかし、」「だから、」などの
接続語の使い方がしっかりしていて
文章全体のメリハリはあります。
しかし、生徒さんの作文は、
やはり、「第三項」が、効いています。
形だけでなく、
内容的にも優れているのです。
今回、塾長は、潔く白旗を上げておきましょう。。。