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皆さん、こんにちは。学びの庭・塾長の柳です。
塾長は最近、メレディスの『エゴイスト』(岩波文庫・上下巻)を手に入れましたので、読み進めています。
メレディスは、漱石にも影響を与えた作家です。
読み始めてすぐに気が付いたのですが、……
漱石はメレディスのこの『エゴイスト』を反転させて『虞美人草』を書いたのではなかろうか、と。
メレディスの『エゴイスト』は喜劇論から始まります。
漱石の『虞美人草』は、悲劇論で終わります。
(朝日出版社の『イギリス文学案内』によると)エゴイストの男主人公は、数々の女性と浮気心を起こしますが、最終的には幼馴染の女性と結ばれます。
虞美人草の女主人公は、二人の男を天秤にかけ、どちらとも結ばれることなく死んでしまいます。
男を女に。
喜劇を悲劇に。
エゴイストということ自体も、漱石のテーマの一つです。
『こころ』のなかでは、“イゴイスト”という表記でテーマ化されています。(この塾長日記の過去の記事・参照の事。)
これから全編を通して読んでみて、いろいろと確かめてみたいと思っています。
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