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皆さん、こんにちは。学びの庭・塾長の柳です。
先日、娘の通う中学校の公開授業(授業参観)に行ってまいりました。
熱心な授業をおこなう先生方や、真剣に授業に取り組む生徒さんたちから、多大なエネルギーをいただくとともに、中学校が抱えている課題もまた、見えてきました。3つほど、お話をします。
3つの「もったいない」です。
① 一つ目の「もったいない」
うちの塾なら、スッキリ解決できるのに
生徒さんたちの取り組みようを見ていて、正直、「あ~、うちの塾に来れば、スッキリ問題解決してあげられるのになぁ…。もったいない…。」という状況の生徒さんたちが、山ほどいました。
もちろん、これは単純に中学校の指導が良くないと申しているのではありません。中学校には中学校のやりかたがあります。それは集団指導というものをベースに置いた、「一斉指導」です。
それに対して、塾には塾ごとに、さまざまな指導形態があります。
今回、主に「うちの塾に来てくれれば…」と塾長が思った生徒さんというのは、真面目だけれど不器用であったり、いまひとつ勉強のコツがつかめていなかったり、間違った学習方法で授業を受けていたり、…といった、どちらかというと、うちの塾の『超少人数クラス指導』や『完全個別指導』に向いているようなお子さんたちです。
日頃から塾長は、われらが『学びの庭』が、そうした生徒さんたちにとっての言わば《命綱》のようなものであるように、と願っています。勉強が「苦手」な子、「嫌い」な子が、それでも楽しく真面目に大量にこなしていくことで、徐々に「苦手じゃない」「嫌いじゃない」になって、そのうちに「結構面白い」「もっとやりたい」となっていくこと。そうした事例を、ここ「学びの庭」で、一つでも多く実現していきたいと思っています。
実際、「学びの庭」では、そうやって、たとえば、500点満点のテストで一気に100点以上点数を上昇させた塾生が、これまでに何人もいます。先日の公開授業のときに塾長の目の前にいた生徒さんたちそれぞれも、そんな一人になってくれたらなぁ…などと考えてしまいました。
② 二つ目の「もったいない」
そのやり方では、ちょっと…。
次は先生方の授業展開についてです。これは、岡目八目ゆえの気づきですので、手短かに。
良かった点に関しては、すでに学校アンケートに多数記入させていただきましたので、ここでは課題点だけを…。
・せっかくの生徒さんの発言を、きちんとひろって膨らませ、その日の学習課題につなぐ、ということができていない。
・せっかくの関連面白エピソードなのに、きちんと生徒さんたちを巻き込まないうちに、こぢんまりと話してしまっている。
・せっかくの丁寧な板書が、ただの教科書や問題集の写しでしかなく、それを答え合わせ的になぞって終わっている。
生徒さんの能力を上げるために授業が構成されていなければ、せっかくの先生方の努力も水の泡…。じつにもったいないことです。(もちろん、先生個人だけの責任ではありません。生徒さんたちの能力向上は、生徒さんたち自身の真面目な姿勢や真剣な取り組みがあってこそのものでもあります。教育とは相互作用の創造であると思います。…ですから、生徒さんたちも、先生の所為[せい]、親の所為、世の中の所為など、誰かの所為にするのではなく、まずは自分がどう取り組めるか、ですよ。)
…ともあれ、いろいろとそんな風に(勝手に外野から)思いましたので、この場を借りて、エールを送らせていただきます。塾長自身も、自分の授業を省みる機会とし、今後も日々努力してまいりたいと思います。
③ 三つ目の「もったいない」
いずこも同じ。ゲームとスマホ。
クラス懇談会にも出席したのですが、親御さんの主な悩みの一つが、子どものゲームやLINEやスマホとの付き合い方でした。時間・ルール等を決めても日々なし崩しになってしまうことや、親子関係がギクシャクしてしまうこと、わが子の友達との関係にも気をつかってしまうこと、などなど…。
くしくも、香川県で子どもへのネット・ゲーム等を規制する条例案が出たことも話題となりました。
法規制等を必要とするのかどうかという議論はさておき、スマホに関して、塾長はこんなふうに考えています。
問題は、児童・生徒・学生さんたちが、スマホの『薬』(良薬)の部分よりも、『毒』(麻薬)の部分と多く関わってしまっていることだと思っています。スマホは、文明の利器ですから、いまさら否定することはできません。便利だからこそ、普及もしているのでしょうし、塾長自身も日々利用しています。ただ、それによって失ってしまうものの大きさに、私たちは意識的でないといけないと思うのです。特に、精神的にも重要な成長期である10代の若者たちが、日々、スマホに、自分たちの将来に関わる重要なものを絡め取られてしまうことは、あまりにも損失が大きすぎます。中学までは真面目に勉学に励んでいた生徒さんが、高校合格を機にスマホを買い与えられて以降、そればかりをいじって勉強もせず、どんどんラクなほうラクなほうへと流され、高い志も失い、しまいには将来への道を台無しにしてしまったという例を、塾長は山ほど見ています。もちろん、スマホだけが原因であったなどという気はありません。しかし、大きな要因であったことは否めないと思います。
失うのは「時間」だけではありません。「高い志」、「ひたむきに考える粘り強さ」、「自分で工夫することの大切さ」、…そうしたものをネット社会は多くの人たちから確実に喪失させていっています。ネットは道具です。道具に過ぎません。道具に振り回されてはいけません。便利な道具を利用して、その先をさらにより高く「考えて」いくよう、私たちは望まれているのです。…そういえば、さまざまなスキマ時間に読書をする人が、大人でも激減していますね。因果関係や相関関係はどう明らかにされているのか詳らかには知りませんが、世の中を見ている限り、体感的にはまず間違いなく関係があると思います。おそらくネットで古典的名著を読む人は少ないと思います。そうやって人類の教養(過去から今までに蓄積された叡智)を失うこと。そうした教養を失うことの恐ろしさに気づかないまま大人になってしまうこと。「勉強なんてやったって、役に立たない。」「読書なんてしたって、意味がない」と、勝手にひとり決めしてしまうこと。あっさりと、勉学に励むのも、先人たちの知恵の結晶を読みあさるのも、拒否してしまうこと。そして、やっているのは、目の前の快楽に浸ること…。ラクチンな時間つぶし…。人生の無駄づかい…。本当に、もったいないことです…。
少なくとも、塾長は、塾長の関わった生徒さんにそんな風になって欲しくないということだけは、発信し続けていきたいと思います。
…最後は家庭の問題・生徒さん自身の問題に行き着いてしまいましたが、そうしたものに塾がどう働きかけていけるかを、今後も考えてまいります。ご意見・アイディア等がございましたら、どうぞおっしゃってください。