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古文から英文へ。

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皆さん、こんにちは。学びの庭・塾長の柳です。

 

今日は「勤労感謝の日」。もともとは、一年の収穫を祝う儀式である「新嘗祭」(にいなめさい)。謂わば、日本の本来の「ハロウィン」ですね。

 

さて、小諸東中の定期テストで、「学びの庭」が直前にやっていたことが出題されましたので、ご紹介します。

 

①『平家物語』から、二重否定構文へ。

 

中2の後期中間テストにおいては、11月13日の塾長日記「字に触れよ、比較し鑑賞しよう」でも紹介した、『平家物語』の一節が、そのまま出題されました。全問正解の塾生も多かったようです。特に、最後の「いづれもいづれも晴れならずといふことぞなき」の口語訳については、直前の授業や得トレで《二重否定は強い肯定》ということにまで触れ、さらに英語二重否定の例文も挙げて説明していました。

 

古文 いづれもいづれも晴れならずといふことぞなき

(どちらも晴れがましくないということはない)

⇒どちらを見ても、まことに晴れがましい情景である。

 

英文 例 They never meet without playing chess.

(彼らはチェスをすることなしに会うことはない。)

⇒彼らは会えば必ずチェスをする。

 

言語が異なっても、時代が異なっても、共通する部分があるところが面白いですね。

古文・文法に関しては、「ホームmana-t(映像配信&演習)の該当箇所も役に立つから必ず視聴するように」と呼び掛けていたので、これも功を奏しました。塾長も授業でポイント解説しましたが、文法での全問正解者も多かったようです。

頑張った箇所が点数になっていることは、とても嬉しいことですね。単にトータルの点数だけを見るのではなく、取れているべきところが取れているかどうかを見極めて、次回以降の対策を具体的に立てられると良いと思います。

 

 

②『伊勢物語』から、仮定法過去へ。

 

中3の総合テストにおいては、10月13日の塾長日記「神無月のころ…」でも紹介した、『伊勢物語』が、出題されていました。出典が明記されていなかったのですが、特徴的な冒頭や長岡(長岡京)という地名から、塾長にはすぐに『伊勢物語』からの一節であると分かりました。

即座にその場にあった伊勢物語の本で該当箇所を紹介し、本文の敬語表現(尊敬語・謙譲語)、係り結び、『え~(打消し)』などを教え直しました。こうしたことが分かっていれば、間違いなく解答できるというところまで話ができたので良かったです。

10月13日の塾長日記で反実仮想の例として紹介した大和歌をもう一度引用します。これも、英語仮定法と並べると面白い表現ですね。

 

世の中にたえて桜のなかりせば春の心はのどけからまし

If there were no cherry blossoms in this world, our hearts would be calm in spring.

(もしこの世の中に桜というものがなかったならば、春の人々の心は穏やかなものであったろうなあ。)

 

こちらも、言語が異なっても、時代が異なっても、文化圏が異なっても、共通する部分があるということでしょう。特に、反実仮想にしろ、仮定法にしろ、過去形を用いるところに際立った共通点が見いだされます。また、こうして並べることによって、相違点(オリジナリティー)も見えてくるように思います。

 

 

塾生の皆さんも、ただ習ったことを機械的に覚えるだけなどという無味乾燥な学習の次元から脱して、いろいろと考えたり感じたり表現したりするなかで、さらに高い次元での学びの愉しさを実感していってください。

古文を古臭い何かなどと決めつけず、今にも通じる、世界にも通じる共通項オリジナリティーを持っているものとして、愉しんでいけるといいですね。そして、共通点相違点から現代の諸相へのヒントもつかめれば、さらに有意義なものになるのではないでしょうか。

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