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『握手』に見るデカルト主義。

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皆さん、こんにちは。学びの庭・塾長の柳です。

 

今日は、中学生の部活動の大会等で、授業に空きができていますので、その時間を利用しての塾長日記です。部活動。悔いの残らないように頑張ってもらいたいものです。

 

さて、中3国語で、井上ひさし『握手』が、次回の試験範囲に入っています。

先日、知的刺激を求めている生徒さんのクラスで、塾長はこんな補足説明をしました。

本文中に出てくるルロイ修道士の次のセリフ、実はこれは、西洋近代の始祖の一人、ルネ・デカルトの、『方法序説』に見られる問題解決方法なのだよ、と。

「仕事がうまくいかないときは、この言葉を思い出してください。『困難は分割せよ。』あせってはなりません。問題を細かく割って、一つ一つ地道に片づけていくのです。」

ルネ・デカルトは、

 Je pense,donc je suis.

 Cogito,ergo sum.

 我思う、ゆえに我あり。

という言葉で有名ですね。(常識ですので、塾生は知っておいてください。)

夏目漱石は『吾輩は猫である』のなかで、猫にこんな風に言わせています。

 デカルトは「余は思考す、ゆえに余は存在す」という三つ子[三歳児]にでも分かるような真理を考え出すのに十何年か懸かったそうだ。

猫に語らせると、なかなか手厳しい…。

そういえば、デカルトは、壁にとまった蝿が移動するのを見て座標を考えついたとも言われています。座標という考えは、『方法序説』の付録として書かれた『幾何学』のなかに記されています。数直線も、デカルトが考案したものを、私たちは使っていますね。

ルロイ修道士ならずとも、私たちは知らず知らずのうちにデカルトの影響(恩恵)を受けているようです。

高校時代に「僕たちは、何らかの形で誰もがデカルト主義者だよね」と語っていた友人のことを思い出しました。細かい定義はどうあれ、大筋で、まさしくその通りだと思います。

塾生の皆さんも、デカルトの『方法序説』、読んでみてはいかがでしょうか。短いので、すぐに読めますよ。

 

 

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