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皆さん、こんにちは。学びの庭・塾長の柳です。
教室の南側の一隅で、梨の木が透明感のある白い花を可憐に咲かせています。美しいものですね。
今回は授業報告です。
昨日の中学1年生の完全個別指導。
漢字練習で、「ヒッシ」という言葉の書き取りがありました。模範解答は「必死」または「必至」だったのですが、生徒さんは「筆紙」という答えを書いていました。
塾長にとっては、予想外の答えでした。
とはいえ、例文の与えられていない出題でしたので、「必死」「必至」も書き取ってもらったうえで、「筆紙」も正解としました。
さて、これで終わらないのが、われらが「学びの庭」です。
その際、「必死」と「必至」の意味の違いを確認するうえで大辞林を引いてもらったのですが、そのときに「筆紙」のほうの子項目で「筆紙に尽くし難い」というものが載っていましたので、こちらの例文も考えてもらいました。
その生徒さんが作った例文は、以下のようなものでした。
「入学式のときのあの緊張感、不安感は、筆紙に尽くし難いものであった。」
なかなか重々しい、まるで将来は文筆家になることが決まっている人が語っているかのような、風格のある文となりました。
中1の初めのこの時期は、いろいろと新しい環境で大変だとも思いますが、国語に関しては、こうして一つひとつの言葉を掘り下げて理解していけるとても貴重な時期でもあります。紙の辞書を引く機会も多く取れますし、塾長と言葉のやり取りをするなかで、語彙を増やすことの愉しさも実感してもらえるかと思います。
それにしても、「筆紙に尽くし難い」、ですよ。こんな表現までを中1の生徒さんに教えている塾はそうザラにはないものと自負しております。もちろん、無理やり塾長が生徒さんに難しい言葉を教え込んでいるのではありません。生徒さんの学習状況、知的好奇心、到達度、理解力を踏まえたうえで指導しております。
何より今回は、塾長の予想していなかった生徒さんの解答からのやり取りで、授業が予想外の深まりを見せました。喜ばしい限りです。
その意味でも、やはり、「授業は生き物」、「授業は対話」なのだと思います。
ただ漫然と問題集をこなしているだけでは決してたどり着けない場所があるのです。
他の学年の生徒さんや親御さんも、学習の広がりや深化について、どうぞ参考になさってください。