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国語「ちゃんとした」小説?

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皆さん、こんにちは。学びの庭・塾長の柳です。

 

【起】

先日、とある中学校の休校中の課題を、塾生から見せてもらいました。そのなかの、国語の読書や読書感想文の課題に、次のようなものがありました。

「ちゃんとした小説等」を、「3冊以上目標」に読むこと。また、そこから1冊を選んで、原稿用紙2枚の読書感想文を書くこと。

目下、これが塾長を少しばかり悩ませています。といいますのは、…。

 

【承】

まず、「ちゃんとした小説等」とは、一体、どのようなもののことを指しているのでしょうか。夏目漱石ヘルマン・ヘッセの小説のことでしょうか。星新一又吉直樹の小説はいいのでしょうか。いわゆるライトノベルエンターテインメント小説は駄目なのでしょうか。漫画やアニメからノベライズしたものはいけないのでしょうか。推理小説怪奇小説はどうなのでしょうか。おそらく、図鑑や、科学読本は、「ちゃんとした小説」ではないでしょう。とはいえ、「等」とあるので、そうした本や、エッセーノンフィクションハウツー本などでもいいのでしょうか。塾長には、まったくもって、「ちゃんとした小説等」という意味が、分かりません。

また、そもそも、その「ちゃんとした小説等」とやらを、他の教科の課題もある中学生が、この4月14日から4月23日までの間に、「3冊以上」も読めるものでしょうか。そして深い感想文を書けるものでしょうか。読書好きで、普段から読書日記を書いている塾長にでさえ、至難の業だと思います。(さらに言ってしまえば、どうして、“きちんとした”という言葉遣いでなく、“ちゃんとした”などという、添削されるべき言葉遣いなのでしょう…。)

 

【転】

塾長ならば、次のようにはっきりと「読むべき本」の定義づけをして、生徒さんたちに趣旨も説明します。

①「絵・写真等ではなく、言葉・文章(散文)を中心に据えた表現の、1冊の本」

②「主人公ないし登場人物の心の葛藤が描かれている物語

③「中学生のあなたたちが読んで、精神的に何らかの成長ができるであろう読書体験」

読書および読書感想文の本の対象には、以上の①~③をすべて満たしている1冊を選ぶこと。

また、読書感想文は、単なるあらすじまとめや単なる読後感ではないので、本の中から一つのテーマ(軸)を定めて、それについてのみで、2枚の原稿用紙を埋めること。(必要なあらすじの説明等は、800字のうち、おおむね200字以内とする。)

 

【結】

いかがでしょう。「学びの庭」の塾生は、ぜひ上記のような条件の1冊を選んで、読書感想文を書いてください。感想文の書き方は、国語を受講している生徒さんには、授業で細かくアドヴァイスします。

一つだけ、コツを言いますと、物語の中の“キモ”に当たる《主人公の一つのセリフ、一つの行動、一つの場面》だけを選び取って、それについて、「どうして~?」と問いを立てて論じていけばいいのです。たとえば、夏目漱石『こころ』ならば、「精神的に向上心のないものは○○だ」というセリフについて、「どうして〈先生〉はこの言葉をKに投げ返したのか」と最初の問いを設定してみるのです。浅い答え、深い答え、自分の場合、他人の場合、…いろいろなことが書けますね。

ある人が、「読書感想文は、本を題材にした意見文だ」と言っていました。まさにその通りです。塾生の皆さんは、あなたが考えたことあなたが感じたことを、様々な角度から、深く綴っていってください。

 

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