- カテゴリ
皆さん、こんにちは。学びの庭・塾長の柳です。
※今回は、かなり“フリー・トーク”に近いです。
「先生、私、ツツジって漢字、知ってるよ」
小学3年生の個別授業のとき、生徒さんがこんな風に言ってきました。
「ツツジ?」
「そう。“おおざと”が入ってるでしょ」
そう言われて、塾長はようやく、
(ああ、そうだ。武田信玄の居館は、“ツツジが崎館”と言ったなぁ。あれはたしか…)
と、徐々に思い出すことができ、その場で、
「よく知っているねぇ。たしかこういう字だったよね」
と再現できました。
皆さんは、思い浮かんでいらっしゃるでしょうか。
そうです。ツツジという漢字は、…
躑躅
と書きますね。
塾長は最初、躑と躅の字を前後反対に書いてしまい、後からそれと気づいて慌てて直しました。なかなか難しい字ですよね。
もともとこの生徒さんは、授業の前後、よく庭先の植物を親御さんと観察しては話題にしていました。春先から、水仙、カタクリ、そして、今回のツツジ。まさしくいま、「学びの庭」の玄関前に無数の薄紅色の花弁を広げて咲き誇っています。お子さんの好奇心を花ひろげさせるのも、親御さんの影響力の負うところが大きいように思います。世の親御さんたちは、ぜひお子さんとこうした季節や自然のものについての会話などをなさってください。知識のみならず、感性や情緒の育みにもなるかと思います。
塾の玄関先では、ツツジの花から少し離れて、いまはサツキの花も満開です。時まさに皐月(さつき)。与謝野晶子も愛したという五月。
ああ皐月 仏蘭西(フランス)の野は 火の色す 君も雛罌粟(コクリコ) われも雛罌粟
雛罌粟(ひなげし、コクリコ、ポピー)の花とプルーストの関係は、すでに塾長の読書日記で述べたことがあります。
ポピーの花も、いま塾の自販機の周りに沢山咲いています。
そういえば、虞美人草というのも、ポピーのことですよね。
(ああ、『虞美人草』[⁼ポピー]を書いた夏目漱石と、「雛罌粟」[⁼ポピー]を詠んだ与謝野晶子は同時代人。1905年、与謝野晶子が時代にコミットして日露戦争に反対する『君死に給ふこと勿れ』を発表したころ、漱石は飄然と『吾輩は猫である』を書き綴っていたというコントラストには、なかなか興味深いものがあります。)
…閑話休題。
…何にしろ、五月はいい季節ですね。
コロナ禍には油断はできませんが、こうして季節の移り変わりやさまざまな花を一つひとつ味わえる心の豊かさは、忘れないようにしたいですね。
塾長は、生徒さんの頭も心も、両方とも、豊かに育てたいと思っています。