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皆さん、こんにちは。学びの庭・塾長の柳です。
今日は、過去の塾だよりからの引用です。
何年も前のことですが、内田樹の本『下流志向 学ばない子どもたち 働かない若者たち』の紹介をしたことがありました。
配布し読み合わせをした後、生徒さんの一人が「鼻血が出るくらい衝撃的だった」と語ってくれた本です。
その塾生は、「学びの庭」に入塾した段階では点数的に振るわなかった(点数に無関心だった)のですが、入るなり、直後の定期テストで5教科計120点以上の上昇を見せ、その後、第一志望校にも見事合格、高校でも「学びの庭」に通塾してくれて、大学も、国立大学に現役合格、いまでは、何と大学院生になっています。
さて、本には何と書いてあったのでしょうか。また、それに対し、塾長は何とコメントしたのでしょうか。過去の塾だよりのまま、部分的に引用してみます。
引用開始
学びとは、学ぶ前には知られていなかった度量衡によって、学びの意味や意義が事後的に考量される、そのようなダイナミックなプロセスのことです。(中略) しかし、このような学びのプロセスは、「教育サービス」を購入するために「教育投資」を行う消費主体として自らを確立した子どもには理解不能です。
[内田樹『下流志向』より]
学びとは、「成長」そのもの、 ― 学習を通じた様々な「気づき」のなかで、小さな世界観が大きな世界観になっていくこと ― なのですね。「お客さま」感覚でサービスを待っている人には、そうした「気づき」の瞬間は訪れないのですね。自ら学んでいこうとする姿勢が大切なようです。
引用終わり
いかがでしょう。学校・塾・スクールなどの教育は、たしかにサーヴィス業(第三次産業)ではありますが、単に消費者の言うがままに指導を提供するようなものではありません。コンビニやファミレスや自動販売機などとは違うのです。(これらを貶める意図は毛頭ございません。念のため。)
学校・塾・スクールなどの教育は、本人やご家庭の意を酌みつつも、教育理念や指導方針に基づいて、生徒さんを高めていくことにあります。そして、「学びの庭」の理念や方針は、単なる点取り虫を即席で製造することではなく(このことは入塾時の個別説明会で必ず伝えていることです)、学力の向上を通じて、社会貢献できる人材、創造的主体を育んでいくことです。
実際、多くの場合、プロセスを大切にしている生徒さんたちは結果もついてきていますし、生き生きとコミュニケーションをとる生徒さんほど、主体的に学習にも取り組んでくれています。(黙々と努力をするタイプの生徒さんもいますので、100%の決めつけは致しませんが。)
まだまだそうした勢いのあるプロセスが足りていない塾生には、今後さらに働きかけをしていきます。事実、塾長の言葉を信じてたくさん家庭学習に励んでくれている受験学年の塾生は、いま、かなり、上昇してきています。塾長も、塾生も、さらなる努力。親御さんも、お子さんの向上のために、努力です。(昨今、この「努力」という言葉が忌避され過ぎているように思います。愉しく、努力をしていけば、いいのではないでしょうか。) 下級生も先輩たちの頑張りを見て、できることを力強く始めていきましょう。
ちなみに、今日は「学びの庭」の開塾記念日でもあります。「いい庭(1・1・2・8)」の11月28日開塾でも良かったのですが、一日でも早く開きたかったので、27日になったことを、今でも覚えています。
つい今しがた、またも塾生から「学年1位」の報告がありました。1位という結果も嬉しいですが、それ以上に、自己ベストを更新しようと、日々できることを頑張ってくれる塾生の意気込みや姿勢のほうが、数十倍嬉しいです。
こうして塾を続けていけることに喜びを噛みしめつつ、今後も指導をしてまいります。