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皆さん、こんにちは。学びの庭・塾長の柳です。
昨日は、長野市で塾長の講演
「『坊っちやん』七つの謎」
が行われました。
塾長が準備した話を皆さんとともに考えながら聞いていただく会でした。
『坊っちやん』に《謎》なんてあったかなぁ?、という人も多いかと思います。
塾長が感じた《謎》が、どのようなものであったのかを、列挙しておきましょう。
☆坊っちゃんは、どこから来たのか。
1.坊っちゃんは、本当に「親譲りの無鉄砲」か。(出自の問題、漱石との比較)
2.「多田(の)満仲」の読みを決めたのは、誰なのか。(先祖の問題、表記の問題)
☆坊っちゃんは、何者なのか。
3.坊っちゃんには、なぜ名前がないのか。(観光地の顔出しパネル、ヴァーチャルリアリティ)
・小説の作り(レッテル貼り小説、役割固定小説、勧善懲悪小説、 ≒ 戯作)
・坊っちゃんという人間(善玉悪玉論と多様性)
4,モモンガーが、なぜ悪口なのか。(江戸の赤本・黄表紙などの世界)
5.坊っちゃんは、コミュ障か。
①語りの技法(F+fを敷衍して)(Focus:一人称の見聞⇨feeling:思考・感情・独白⇨action言動・会話)
②語りの越権行為(F+f+aのサイクルから外れた、唯一の例外)
☆坊っちゃんは、どこへ行くのか。
6.「御覧の通りの始末」「只懲役に行かないで生きて居る許りである」とは?(『吾輩は猫である』(一)との比較)
7.坊っちゃんは、街鉄の技手を続けているか。(東京電車焼き討ち事件、千駄木の養源寺・小石川の新福寺・小日向の養源寺、家紋について)
8.(おまけ) 坊っちゃんが語っていないことは?(信用できない語り手Unreliable Narratorとしての坊っちゃん、実は坊っちゃんはマドンナに一目惚れしたのでは?)
いかがでしょうか。実は結構いろいろな《謎》があったのだ、とお分かりになられたでしょうか。
有名な冒頭の「親譲りの……」からして、早くも《謎》が秘められていたのです。
大筋、江戸時代以来の価値觀を持っている「坊っちゃん」(保守派・守旧派・佐幕派)が、明治時代以降の世の中(功利主義・立身出世主義・事大主義)の大きな流れに合わせていけるのか、いけないのか、という話として、塾長は小説『坊っちやん』を繙きました。
『坊っちやん』のユーモアの作り方や、漱石の執筆時の意識などを考察し、この抱腹絶倒な物語をまた違った角度から味わうことを、楽しめていただけたのではないかと思います。
会員の皆さんから、たくさんのご感想もいただきました。
そのことについては、次回の記事をお楽しみに。