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皆さん、こんにちは。学びの庭・塾長の柳です。
今回は、前回からの続きです。
塾長の講演「『坊っちやん』七つの謎」に寄せていただいた感想を、いくつかご紹介いたします。
①柳先生、綿密に読み込まれていて(前回も感嘆しましたが)すごいです。先生のように熟読したことが一度でもあったのだろうか?と反省。
YouTubeやTikTok、私は観ていませんけどショート動画、タイパ重視の世の中ですが、「すべての作品・小説」では決してありませんけど、古典的名作というのか、漱石や泉鏡花など、時間をかけてじっくりと読みたい作品がたくさんあることに、先生のお話を伺いながら何だか安心感を覚えています!
今、別のグループで『高野聖』を読んでいますが、気持ちも改まりました。
ありがとうございます。(慮るっていい言葉ですね。)
②こんなに深く一つの事柄の分析されて話をしていただき、びっくりしました。
敬意を表します。
③今回の七つの謎が分かってくると、改めて「坊っちやん」が読みたくなりました。実は「べらんめえ」は人情深い人でした。濃い講義をありがとうございました。
④『坊っちやん』の別の読み方を教えていただいて、ありがとうございました。いろいろな見方を検討する必要を感じますが、とても判り易い解説で、理解の助けになります。充実した時間でした。
⑤講義の構成がよく練られていて、楽しく聴講させて頂きました。特にNo.6の内容が大変参考になりました。
また、佐々木梅治さんの英訳が英国的表現で興味深かったです。有難うございました。
⑥原稿参照っておもしろいですね。漱石の時代、教員やめて小説家になったのは旧世界の日本人を海外文化の流入に先導する意識が強かったのだろうと思う。まるきりごらく小説にしたくないが、大衆はおもしろさが必要だろうといろいろ考えられていておもしろいですね。導入、冒頭のリズムの(引きつける)つくり方が話芸が好きだった漱石のこだわりかもですね。
赤シャツ=リベラル、山嵐=保守?的なイメージづけもできそうと、最近おもいつきました。
モモンガは中世からモンゴルをひやかした名なんじゃないだろうか。山への恐れと重ねて……毛皮をまとった小心、女の子、……化ける、実際シベリア平原の動物みたいですね。※1
[F+f+a]の分解おもしろいですね。やってみたいです!
うらなり先生のところは、旧日本式思考(近代)を意図的に入れているのかもしれないですね。私もロンドン発狂は意図して日本の文芸の狂いの足場で文体を体現したのかと思っています。禅や道の足場でもありますね。英語のところも表現興味深いですね。猫の描き方に関しても、カメの中に水死させで葬送はがき出してこれは仏道上では草木けものの輪廻覚った人間はここから抜け出すことが近代人の漱石の大テーマだと思います。あれ(前近代の死)は創作上の先導で実際の飼いネコは別に死んでますよね……おもしろかったです!
附)うらなりは自分のなかでは別モデルを考えており、やっぱり唯一ウラナリですよね!と思いました。とても大事な役目で上田の人だが設定がよく似ています。彼の心中の作戦を手伝っているキヨも心の“ふるさと”として重要ですね。そう言えばウラナリの日記に……略。文学万才!
⑦多岐にわたってお腹一杯。妄想は読みかえしてみようと思います。ありがとうございました。
⑧坊ちゃんの読み方を漱石の初期の作品として、青春時代の心として受け止めると、新しい発見がありました。
それと、原稿だからこそ読み取れる、作者の気持ちも読み取れる、たいへんおもしろく聴かせていただきました。ありがとうございます。
⑨本日の内容は深く、ついていくのが大変でしたが、すばらしい時間が持てました。感謝申し上げます。
⑩柳先生はとても勉強家だと思いました。
本の読み方が色々あるのだと気づかせていただきました。
次回も楽しみにしています。
「草枕」の話をお聞きしたい。※2
ありがとうございました。
⑪F f a のお話は興味深く、面白かったです。
ももんが
私の父が子どもの頃、夕方おそくまで遊んでいると親から「モモンガが出るぞ」と言われたと父から聞いたことがある。(千曲市稲荷山)※3
⑫詳細な分析と資料の提示に敬服するが、英文を根拠とする理由のみがギモン。※4
日本人の別○○○[解字不能]があったのではないか。
No.4、レッテル付は納得
Q5 F+f+aは納得
語り方の発見には同意見だが、全編で唯一か。※5
No.8 懲役[39年坊っちやん]と跛[38年猫]の書き換えの意味は大きい。
前者は犯罪者で後者は身障者である。
漱石が書き直した真意は?
全体として盛りだくさんで消化困難
⑬多田満仲(らんぼう者)の末裔を、親ゆずりとした所が文ごう夏目漱石のすごい所だと思った。※6
コミュ障については、深読みではないか?
漱石はもっと気軽に書いていると思う。
スーと読めればいいので、小説は楽しければいい。
明治の文ごうは、もっと気らくに書いていたと思う。※7
マドンナは東京へ行きたい。
若い人は、みんな東京が好きなだけだと思う。
大阪は、ごみごみしていて嫌いです。京都なら良いが。
「東京へ行きたい。それがだめなら京都でもいいね。」
水晶珠は、うらない。はっけ。なぞかけだと思う。
⑭非常に興味深かった。※8
⑮夏目漱石の著書をあまり読んだことがなく参考になりました。
将来太宰治について研究したいと考えていたので深読みの仕方がよかったです。※9
⑯「親」=先祖⇐武士
近代
父・兄・母
狸(校長)・赤シャツ(教頭)
[戊辰戦争の]新政府軍
明治国家
近代以前
坊っちゃん(江戸っ子)
清
山嵐(会津出身)
[戊辰戦争の]旧幕府軍
強引な解釈
『坊っちゃん』は戊辰戦争のアナロジー?
…とまでは言えなくとも
「敗者の美徳」を表してはいる。※10
⑰圧倒的な内容の濃さのお話、ありがとうございました。「手書き直筆原稿」の検証から読み解く丁寧かつ説得力のある展開、なかなか追い付かないほど頭を使いながら聞きました。
個人的にはF+fにaを加えて語りの技法を説明したNO6が、わかりやすくかつ応用が利きそうで感心しました。授業で描写・心情・行動の三つを意識して読むようにと教えている割に、自分では読めていなかったなと感じた次第です。
坊ちゃんに名前がないこと、私は現時点での結論として、読者に主人公の内面と共感しやすい同一化した視点を持たせて、ずれを意識させないためのある種の「中空構造」のような工夫と考えています。北村薫の「私」シリーズもそのあたりを意識しているとおもうのですが。ただ必ずそうしなければ成立しないわけでもないというところが弱いですよね。本当は「中空構造」をものが入る器としてでなく、他者を映し出す鏡という解釈ができるともっと面白いのですが、主人公が動きすぎるのでさすがにそれは踏み込みすぎで説得力に欠けますね。
この二つを連動させて、坊ちゃんがコミュ障でないという証明(?)、あるいは、坊っちゃんが「うらなり」に代表される敗者弱者についてのみ共感能力が発揮される傾向があることを、文体の面から説明した「語りの越権行為」の解釈は、やはり今回の白眉ではないでしょうか。※11
もうひとつ、「今後、社会に適応して従順に生きることに対してどう考えるか」は、ちいかわの映画のテーマそのもの―従順と諦めと格差搾取―とつながっているといえそうです。だとしたら、柳さんが漱石の作品から読み取った射程は、現代にも照射されうる問題なのだなあと感じました。
そうそう、「兄は芝居の真似をして女形になるのが好きだった」というセリフは漱石自身が女性の着物を着ることが好きだったという家族の証言を思い起こさせます。自分の分身を赤シャツ以外にもいろんな人物に分散投影させ、茶化している一例だと思います。
いろいろ書いていただいて、ありがとうございます。塾長と違う意見も大歓迎でしたので、多様なご意見はとても嬉しい限りです。さらなる考えの材料とさせていただきます。
いま、感想の感想として思ったことを、端的に記しておきます。
※1、3 … モモンガに関する有益な情報をありがとうございました。さらに調べると面白そうな内容かと思います。
※2 … 「『草枕』と英文方丈記」として、昨年、講演をやらせていただきました。レジュメをお渡しして概要をお伝えできれば嬉しいです。
※4 … 英文は根拠ではありません。翻訳者たちが、漱石の原文をどう解釈して英文に置き換えているか、が分かる傍証として挙げました。あくまでも、考える上で参考に出来る材料と言ったところです。
※5 … はい。唯一です。これに関しては、発見したときに、少し震えました。そして、再読して、唯一かどうかをチェックいたしました。とはいえ、間違いもあるかもしれませんので、再度チェックしてみます。
※6 … 多田満仲はどちらかと言うと知略で知られた武将であり、あまり「乱暴者」のイメージではないかと思います。息子・源頼光は、大江山の酒呑童子を退治したことなどで知られる猛者であったと思います。
※7 … できましたら、その理由をお訊きしたいです。
※8 … できましたら、どこが、どう、興味深かったのかをお教え願いたいです。
※9 … 若い世代の知的好奇心に少しでもお役に立てたのであれば望外の喜びです。ぜひ、漱石も読んでいってください。
※10 … まったく「強引な」解釈とは思いません。坊っちゃんは、江戸っ子で、会津出身の山嵐や、零落した武士階級の出である清や、正直すぎる弱者であるうらなり先生などにシンパシーを感じる、江戸時代の価値観を守りたいタイプの人間です。多くの場面で明治維新以後の近代的価値尺度に抗っています。
※11 … お褒めの言葉、ありがとうございます。今回の講演の「目玉」であると思っておりましたので、この点が皆さんに届いていれば何よりです。
貴重なご意見・ご感想、本当にありがとうございました。普段はこうして一介の学習塾をしておりますだけなので、こうした意見の開陳の場と、直接的にご意見・ご感想をいただける場は、本当に有難い(漱石風に書くならば「難有い」)ものです。これからも、忌憚なきご意見や、ご鞭撻、どうぞよろしくお願いいたします。