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皆さん、こんにちは。学びの庭・塾長の柳です。
つい先日、大学の共通テストが行われました。『鬼滅』が流行ったからというわけでもないでしょうが、“鬼”ならぬ、“妖怪”の文化史的な文章が出題されましたね。ミシェル・フーコーのアルケオロジーに関する言説にも触れており、なかなか興味深い内容でした。さらに、芥川龍之介の文章も引用され、“ドッペルゲンガー”のことが述べられていました。実に面白い内容でしたね。
普段から、こうした文章に慣れ親しんでいる人には、スムーズに読むことができるものだったのではないでしょうか。反対に、普段から、やや難解な文章を読むことを忌避してしまうような人には、要点をとらえることが難しかったのではないでしょうか。
やはり、普段からの読書や学習を含む生活(知的なものへの意識)が、ものを言うような気がしました。
さて、今日は、最近の小中学生の授業(小学3年生・中学2年生)で、それぞれコンパスを使った授業があったので、その時に感じたことを少しだけお話しします。
ところで、コンパスとは、何をするための道具なのでしょうか。
簡単ですね。円を描くための道具ですね。
しかし、それだけでしょうか。
そうではありませんね。
コンパスの機能の一つには、円を描くということだけではなく、長さの長短(大小)をとらえるという機能があります。
たとえば、一辺の長さが10センチメートルの正方形ABCD。点Aにコンパスの針を刺して、線分ABを半径とした中心角90度の扇形の弧を、点Bから点Dまで描くとします。このとき明らかになることは、(あまりにも自明なのですが)、線分ABやADの長さよりも、対角線ACの長さのほうが長いということです。
新入塾の生徒さんの中学生の数学の授業で、関数のグラフ上に作られた三角形の面積を求める場面で、「x軸やy軸に水平・垂直に目盛りを読んでいったときの長さ』と「斜めに読んでいったときの長さ」の違いに気づけていない生徒さんが複数名いました。
小学生以来、誰もが方眼ノートやコンパスを使ってたくさんの図形を描いてきたと思いますが、こうした基本的なことさえつかめていない生徒さんがいるというのが、現在の平均的な中学生の実情のようです。
学びの庭では、こうした個別の状況を早期に発見して、対策をとっています。
小学生には、単に答えを出すだけでなく、コンパスのいろいろな活用法(コンパスを使うと何が分かるか、どういう図形が描けるか、など)を教えています。
本人(および親御さん)には気づけない苦手が、実はたくさん隠れているのです。
正直なところ、「真面目」に、「おとなしく」、「しっかりノートも取って」、「(いわゆる)問題なく」、授業を受けている生徒さんが、一番心配です。
本人も、親御さんも、分かっている(できている)と思っているつもりが、実は全然分かっていなかった(できていなかった)、というケースが、ここ数年、多く見られるからです。
塾だからあおって言っているというわけでは「全く」ありません。毎年、中3部活終了後に駆け込みで厳しい状況のお子さんがご相談に来られるので、現実の状況が分かっている者として、率直に申しているだけです。
どうぞ、お子さんの将来のためです。親御さんは「間に合わなくなる」前に、早め早めの通塾をお考え下さい。
早めの通塾で、より良い学びをしていくのですから、損をすることは何一つないと思います。
(もちろん、「学びの庭」はその選択肢の一つです。どうぞご検討ください。)