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皆さん、こんにちは。学びの庭・塾長の柳です。
郭公の鳴き声が綺麗に規則正しく聞こえています。郭公の声は様々な音楽にも取り入れられていますね。塾長が好きなマーラーの交響曲では、4度の下降音型で示されています。今日の郭公も、塾長の耳には4度の下降音型に聞こえますが、はたして他の人たちにはどう聞こえているのでしょうか。
さて、最近の中3生の漢文の勉強では、孔子の論語の有名な箇所を学んでいるのですが、大変に素晴らしい内容なので、授業のなかでさらに深く採り上げました。
① 学而不思則罔。思而不学則殆。
学びて思はざれば則ち罔(くら)し。思ひて学ばざれば則ち殆(あやふ)し。
塾生には、自分がどちらかというと《学びて思わざる者》(知識型)なのか《思いて学ばざる者》(思考型)なのか、自己分析してもらいました。もちろん、どちらが良いとか悪いとかいうことではありません。自己分析をして、自分の成長に活かしてくれればと思います。さらに、ここに感受性も加えると良いということを、付け加えました。
② 知之者、不如好之者。好之者、不如楽之者。
之を知る者は、之を好む者に如かず。之を好む者は、之を楽しむ者に如かず。
勉学は単なる義務感からだけでやっていては、息苦しいですよね。小学校6年間。中学校3年間。高校3年間。大学4年間。ただ苦役としての学問を強いられた子供は、はっきり言って、地獄ですね。学びの面白さを知ったり、日々の学習を楽しくする工夫をしたりするといいですね。生徒さん本人もですが、この点に関しては、親御さんも、お子さんに寄り添って、工夫の具体的なアイディアを出し合っていきましょう。
③ 人不知而不慍、不亦君子乎。
人知らずして慍みず、亦君子ならずや。
これはむしろ、塾長にとって深い警句ですかね。一地方の一介の塾屋稼業に過ぎず、誰が認めてくれるわけでもなく、いくら頑張ったところで何ら社会的な地位も名誉も名声も得られませんが、それで腐ってはいけませんよ、という戒めですね。塾長は、子供たちに教えることが好きですし、言いたいことが自由に言えるので、いまの仕事を楽しんでいます。仕事の時間は、その人の人生の大半を占めます。イヤイヤ仕事をすることは不幸ですよね。古来、日本人は労働を苦役とはとらえていません。働くことは、世の中の役に立っているという、大いなる喜びでもあるのですから。
塾生の皆さんも、世の中の役に立ち、かつ、自分が心からやりたいことを、一生の仕事にできるよう、いま目の前にある課題をなおざりにすることなく仕上げていきましょう。そのこと自体が、あなたたちを成長していってくれることでしょう。
勉強も、仕事も、之(これ)を楽しむ者に如かず(=楽しんだ人の勝利)ですよ。