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皆さん、こんにちは。学びの庭・塾長の柳です。
こちら信州は、またも雪です。吹雪かないといいのですが…。
全国各地で、大学入試の共通テストが実施されています。
さっそく「学びの庭」では、英語のリーディングから、
Attempting the Three Peak Challenge
というトピックの問題を選んで、英語が比較的得意な中学3年生などに解いてもらいました。
細かな語彙で知らないもの、分からないものなどが多少あったようですが、うち2名が、見事、全問正解。
後づけで、単語・イディオムなどの補足説明を行いました。
さて、その英文の内容に関して、なるほどそうなのか、と思ったことがありましたので、お話いたします。
記事は、スコットランドとイングランドとウェールズのそれぞれの最高峰を24時間以内に登頂するチャレンジに関するものなのですが、そこに付された地図の山の標高を見ると、
・ベン・ネヴィス(▲1344m)
・スカーフェル・パイク(▲977m)
・スノードン(▲1085m)
と、いかにも、低い。
塾長は、常々、日本・イギリス酷似説(←勝手に命名)を採っているのですが、この、山の標高という点に関しては、随分と日本の方が水をあけたかのような気がします。と言いますのも…
・北アルプス最高峰
奥穂高岳(▲3,190m)
・中央アルプス最高峰
木曽駒ケ岳(▲2,956m)
・南アルプス最高峰
北岳(▲3,193m)
そして、富士山は言わずと知れた、▲3,776m。
3倍近い高さではありませんか。
とはいえ、夏目漱石が小説『三四郎』の中で、あの老獪な広田先生をしていみじくも言わしめてもいるように、
「富士山は天然自然に昔からあったものなんだからしかたがない。我々がこしらえたものじゃない」
のであって、別段、高い山があることは、日本人の手柄ではありませんね。
お国自慢はほどほどにいたしましょう。
最後に、塾長に日本・イギリス酷似説(←これはもちろん、ちょっとした冗談ですよ)を気づかせてくれたきっかけについて。
これもまた、漱石が『草枕』の中で取り上げてもいるものですが、ジョン・エヴァレット・ミレイの絵画『オフィーリア』。
あの作品の実物を見たときに、その植物の色合いが、いかにも日本の植物のそれのように艶やかに見えたこと。
それが、きっかけでした。
最近では、こうした日本・イギリスの類似点の指摘から話の始まる、松木武彦『縄文とケルト:辺境の比較考古学』という、なかなか興味深い本も読みました。
機会があれば、また改めてご紹介いたします。
いろいろな観点で、自分なりに考えたり感じたりしながら、ものを見る。本を読む。芸術を鑑賞する。
それ自体が愉しいことですので、どうぞ塾生の皆さんも、自分なりの豊かなものの捉え方を模索してみてください。