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皆さん、こんにちは。学びの庭・塾長の柳です。
夏を感じる季節になってきましたね。八十八夜の別れ霜の時節です。
さて、目下、中2国語では、椎名誠『アイスプラネット』を学習しています。
自由人である“ぐうちゃん”が垣間見せてくれる魅力的な世界。
その一つが、“アイスプラネット”(氷の惑星)です。
いえ、何のことはない、その正体とは、お椀を伏せたような半球形の氷山が、滑らかな水面にきれいに映って、全体で一つの球体を形作っているもののことです。
教科書には、その写真も載っています。
これを見て、塾長はすぐに生徒さんとこんな会話を交わしました。
「『天空の城ラピュタ』って知ってる?」
「はい。あのジブリの」
「そう。あのラピュタって、本当にあるんだよ」
「えっ?! うそだぁ?!」
…塾長はすかさず電子黒板で、とある映像を出しました。
モン・サン゠ミッシェル。島ごと大伽藍の孤島が滑らかな水面にきれいに映って全体で正八面体のようになった写真。
「あぁ、ホントだ。空に浮かんでラピュタみたい~!」
生徒さんからこの一言が引き出せたので、成功だったと思います。
あとは、世界遺産のこと、スウィフト『ガリヴァー旅行記』にラピュタが出てくること、ラピュタ人の右目と左目のこと、ガリヴァーは江戸時代の日本に来たことがあることetc.を簡単に紹介しました。
今の中学生は、『ガリヴァー旅行記』そのものを(第3編《ラピュタの国》の話どころか、第1編《小人の国》、第2編《巨人の国》の話さえ)知らない人も多いですね。なかには詳しく知っている人もいました。知っている人は、第4編《馬の国》のところまで分かっていました。読書している人は、しているのですね。
もちろん、当該のワークで読解の記述問題を丁寧に指導したことは言うまでもありません。
主人公の少年が「つい」おこなってしまった行動。その理由の説明は、「実は」「内心は」「心の底では」という語句を入れることで、明瞭に表現することができました。
登場人物の心情は、こうした細部の語句に宿るのです。
そうした感性や感受性の一端をキャッチできるアンテナを張ることは、ラピュタのこと、ガリヴァーのことに好奇心を持つことにも通じています。
誰もが何に対しても興味関心を持って接していってほしいものです。