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皆さん、こんにちは。学びの庭・塾長の柳です。
昨日は雨でしたね。
偶然ですが、高校生の英語長文で、傘に関する文章を読んだので、紹介します。
傘は、当初、日傘として、古代エジプトで作られたそうです。そのときの傘は閉じることができなかったとのことです。
いまのように開閉できる傘は、13世紀のヨーロッパで考案されたそうです。13世紀とは、意外と早い時期ですね。イタリア・ルネサンスの全盛期以前に、すでにそのようなものがあったとは、驚きです。
そして、18世紀になって、ヨーロッパの女性たちが、雨傘として、雨の日に傘を差すようになったとのこと。男の人たちが雨で傘を差すようになったのは、もっと後のことだそうです。これもまた驚きです。随分と遅いのですね。
…と、これは洋傘の歴史です。番傘や蛇の目傘といった和傘には和傘で、また、別の歴史があるのでしょう。
さて、塾長はここで終わりません。
さらに、umbrellaという単語の語源にも興味を持ちました。
フランス語では、全く違う語、parasol(日傘)、parapluie(雨傘)です。para-は「…を遮って」という意味のフランス語接頭辞です。
調べてみると、umbrellaの語源は、やはりラテン語でしたが、“陽光を防ぐもの(パラソル)”、“雨を防ぐもの(パラプリュイ)”といった意味ではありません。“影”という意味のumbrnaという単語でした。イタリア語のOmbra mai fù(ヘンデル作曲『懐かしい木陰』)の、あのombraと同様のものです。なるほど、英語のumbrellaは、言葉の上では、雨傘というよりは、日傘なのですね。
いろいろと知ることができて、面白かったです。
塾生の皆さんは、和傘の歴史の方を調べてみてはいかがでしょうか。
ちなみに塾長はその昔、Pénombreという冊子を出していました。これは、“半影”という意味のフランス語です。昔、仲間たちと書評、批評、小説などを綴じていたものです。いまはそうした仲間が近くにはいないですし、ネット上でやり取りをしてもいまひとつ鼻白む思いがするので、そうしたものは綴じていません。残念ですが。