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皆さん、こんにちは。学びの庭・塾長の柳です。
暑い日が続きますが、塾生諸氏におきましては、日々、懈怠(けたい)なく学習を。
さて、夏期講習。中2のクラス授業初日。
国語の論説文で、「くまなく」という言葉の言い換えを選ぶ問題がありました。
もちろん、答えを選ぶことも大切ですが、塾長は生徒さんたちには、
「この《くまなく》の“くま”を、漢字で書いてごらん」
と言ってみました。
案の定、生徒さんたちは、悩んでいました。
よもや、動物の《熊》ではないだろうし…、と。(推測)
で、正解は、《隈》ですね。
昨日徹夜してテスト勉強しちゃったから、目の下にクマが出来ちゃって…、というときの隈です。
さらに、塾長は、すかさず、
「花は盛りに、月は隈なきをのみ、見るものかは」
も板書し、誰が書いたものかを当ててもらいました。
(ダメですよ、「いま、塾長先生が書いた~」なんて答えは。)
「鎌倉時代後期の人だよ」とか、「有名な随筆を書いた人で、あなたたちも教科書で読んでいるよ」など、いくつかヒントを出したのですが、ヒントが良くなかったのか、何なのか、なかなか答えには至りませんでした。
漢字が分からない…という生徒さんも居たようです。(推測)
…この答えは、兼好法師、ですね。『徒然草』からの一節でした。
脱線が過ぎたので、さすがに授業の本題へと戻ったのですが、こうして生徒さんたちの知らない(気づいていない)点に気づきを与え、知識や教養をおし広げていくこともまた、今後の学力のもと(素地)となるので、大切かと思います。
さらに、今回の論説文読解には、最後に60字以内の記述問題がありました。
生徒さんたちの解答を見ると、まずまず正解に近いものは導き出せているのですが、いかんせん、自分の語彙になっていない感じがしました。
自分で書いていて、何が言いたいのかよく分からないような、そんな答えを作っていてはいけませんよ。
そこで、単に本文のあちこちをコピー&ペースト(切り貼り)するのではなく、自分なりにキーワードを書き出して、リコンストラクション(再構築)することを指導しました。
自分に引き寄せて書くこと。
これはとても大切です。
…“けたいなく”、“くまなく”、“つつがなく”、“きたんなく”、“もれなく”、“まんべんなく”、…いろいろな表現がありますね。
塾生諸氏におかれましては、自分の解答を作るときには、どうかくれぐれも、“ぬかりなく”。