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夏期講習も酣。
皆さん、こんにちは。学びの庭・塾長の柳です。
酣。
読めますね。
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たけなわ、ですね。
さて、今日は半日休みでしたので、塾長は読書をして過ごしました。
高原英理
『不機嫌な姫とブルックナー団』
講談社文庫
軽い本なので、あっという間に一冊まるまる読み終えました。
作曲家・ブルックナーのエピソードと、ブルヲタたち(ブルックナー・オタクたち)のやりとり。
全体として他愛もない話なのですが、ブルヲタのひとり・タケ(武田一真)が下手な小説を一生懸命書いて投稿していることに感化されて、最後、ヲタサーの姫たる紅一点・代々木ゆたきは、学生時代以来あきらめていた翻訳の仕事に自分も本腰を入れて取り組もうかと決意します。このちょっとした心の変化が、この作品を“珠玉”の小説として成立させています。
駄目な人には同じ駄目な人の必死が胸にくるのだ。(本文p.186より)
♫
そういえば、塾長も音楽を題材とした創作小説を、今年になってから娘のために書いていました。
題して、
『牛車 Bydlo(ブィドロ)』
ムソルグスキー作曲の『展覧会の絵』の第4曲「ブィドロ(ポーランドの牛車)」などを題材としたものです。
概要
・『伊勢物語』の芥河の話(在原業平が藤原高子と逃避行をする話)を脚色し、姫の視点から描きなおす、野心的な試み。[第1,3,5,7章]
・ムソルグスキー作曲『展覧会の絵』の第4曲「牛車(ポーランドの牛車)」をめぐって。
リムスキー=コルサコフやラヴェルによる編曲について、および、ユーフォニアムというソロ楽器選択についての、老指揮者へのインタヴュー記事。[第2章]
音大指揮科に在籍する男子学生による、想像力たくましい、破壊的な音楽鑑賞体験。[第4章]
・1874年、春を待つロシアの帝都・サンクトペテルブルク。襤褸アパートで交わされる、イリヤ・レーピンの絵画『ヴォルガの船曳き』などをめぐる、示唆的な会話。[第6章]
・これら、《文学》、《音楽》、《絵画》についてが、並行して語られ、相互に共鳴し合う、実験的小説。
塾生の中で読みたい人がいれば言ってきてください。コピー冊子を進呈いたします。原稿用紙換算で40枚程度の、ごく読みやすい短編です。
――結婚だって? あの自らを鳥籠に入れる、あれかい? そいつは驚いた。まあ、目出度い。
――君のその“目出度い”には、少々皮肉の意味も込められているような気がするのだが……。
――いやいや、少々どころではないよ、伯爵。本当に“目出度い”。
(本文p.27より)