- カテゴリ
皆さん、こんにちは。学びの庭・塾長の柳です。
皆さんは、小麦粉、蒟蒻、付箋を、何に使いますか。おそらく誰もが、何かの料理にでも使うだろうと想像することと思います。付箋は、お料理の買い物で、買い忘れがないようにメモでもするのだろう、と。
もちろん、それも正解でしょう。
ところが、意外な使い方があったのです。それは、…。いえ、その話はまた最後にします。まずは、先日の授業の話から始めます。
先日、「学びの庭」では、理科の教科書を使って、中学生の指導をしました。流れのなかで、教科書の巻末についている二つのペーパークラフト(世界の活火山分布と世界の震源分布が分かる地球儀)を、作ってみました。
丁寧に組み立て終わった二つの立体を並べて、つぶさに比較していくと、見事に活火山分布と震源分布が一致していることが分かりました。大西洋中央海嶺の話や、アイスランドのギャオ(海嶺上の地溝帯)の話などもできました。
さらに、「環太平洋造山帯」が南極大陸にまで及んでいて本当に“輪っか”になっているということや、ペーパークラフトの立体が「正十二面体」であるということにまで、話が膨らみました。前者は社会、後者は数学にかかわることです。「学びの庭」お得意の、《教科横断的授業》です。
プレートテクトニクスに関して、日本にかかわる4つのプレートの話のみならず、フォッサマグナの話(糸魚川‐静岡構造線の話など)や、世界中のプレート(特にトルコ付近やパナマ付近など)の話もしました。塾生には大変な知的刺激になったことと思います。とりわけ、日本の北東部が北アメリカプレート上にあることや、4つのプレートが集まっているような箇所は世界的にもほとんどないということに、皆、一様に驚いている様子でした。
それにしても、教科書はさすが日本の学者・教育者の粋(すい)を集めて作られたものだけあって、実によくできています。
今回参照した理科の教科書には、興味関心をかき立てる話や、科学的な仕組みを日常的な道具で実感できることを紹介したコラムなど、ページをめくるごとに発見や感動が無数に鏤(ちりば)めてあります。
生徒さんだけでなく、親御さんにもぜひ開いてもらいたいです。そこにあるのは、お仕着せの「お勉強」ではなく、無垢な好奇心に応える「賢者の知恵の結晶」なのです。
さて、小麦粉、蒟蒻、付箋の話に戻りましょう。
実はこれは、この理科の教科書のなかで、火山の仕組み、地震の揺れ具合い、地層の褶曲の仕方などをそれぞれ知るために使う道具だったのです。
細かい使い方はここでは触れませんので、どうぞ、一つひとつ想像してみてください。
いかがでしたでしょうか。皆さんは想像できましたでしょうか。
「学びの庭」の理科の授業で窓ガラスや姿見を実際に利用して工夫を凝らしていた塾長でしたが、これらに関しては、考えもつきませんでした。
なるほど、日常のほんのちょっとしたモノが、こんなにも科学的な知見を得るために大いに役に立つのだ、ということに、今更ながら驚きを禁じ得ません。
塾長も、今後の自らの授業に活かしていきたいと肝に銘じた次第です。