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英語「“Good night, Peter.”に名訳を」

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皆さん、こんにちは。学びの庭・塾長の柳です。

 

先日、英語の授業でピーター・ラビットの話を扱いました。発音、単語、イディオム、動詞の過去形 etc.… 、様々なことをアカデミックに教えましたが、最後、お楽しみで、いたずらっ子のピーターがほうほうの体で巣穴に帰ってきたときの、お母さんウサギのセリフを、塾生の皆さんに和訳してもらいました。

She didn’t ask. She just put him to bed, and made chamomile tea.

“Good night, Peter.”  

      (三省堂教科書より正当な理由によって引用)

この、最後のセリフです。

 

 

皆さんならば、どんな日本語訳にしますか。これを、単に「おやすみ、ピーター」と平易に和訳してしまっては台無しです。

というのも、学びの庭の授業では、このときのお母さんウサギが、どんな気持ちであったのかを読み取った後だったからです。

学びの庭では、こうした英文を読むとき、単に1対1の逐語訳で済ませて終わらせてはいません。いわば国語の読解のレベルまで引き上げるような読みとりの指導しています。

今回であれば、本文のShe didn’t ask.に線を引かせて、「なぜお母さんウサギは何も訊ねなかったのか。日本語で答えなさい。」という発問をしています。この解答例は、「お母さんウサギは、ピーターが言いつけを守らずに危険なことをしたのだろうと察したけれども、根掘り葉掘り訊かずに、休ませてあげようと思ったから。」です。

その根拠は、その後の、「お母さんウサギは、ただピーターをベッドに寝かしつけ、カモミール・ティーを作ってあげました。」の、「ただ(just)」「作ってあげました(made)」の2箇所にあります。

前者に関しては、《英文の魂は副詞に宿る》とでも説明しておきましょう。後者に関しては、for himが省略されていると見て、単に「作った」ではなく、「作ってあげた」と捉えるのが妥当ではないでしょうか。

また、カモマイル(カミツレ)は、別名マザーハーブとも呼ばれています。まさに母親の子に対する愛情そのものなのです。

 

 

僭越ながら、塾生たちの話を聞く限りでは、文法的説明の他は、chamomileが英語では“カモマイル”という発音になるんですよ、という程度のレベルでこのくだりの解説を事足れりとしてしまっている先生方も多いのではないかと思います。生徒さんの能力を引き上げることは、そんな程度ではできないと、苦言を呈しておきます。上記に見るように、ほんのちょっとした英文で、これだけ深いものを豊かに読みとれるのです。英語の文章読解力を、母国語である日本語の文章読解のレベルにまで限りなく引き上げること。その大前提には、もちろん、母国語である日本語の豊かな語彙・経験・読解・表現の力なども必要です。外国語の能力が母国語の能力以上になることはありえないからです。まずは、母国語の豊かな経験が必須です。(反論・ご意見等はいつでもお受けいたします。どうぞ、お教えください。)

 

 

さて、肝心な最後のセリフですが、塾生たちには、1、2分で、そうした母親の愛情がこもったセリフの日本語訳(超訳)を考えてもらいました。

「いい夢をね」

「ぐっすりお眠り」

「これからは気をつけるんですよ」

「世話の焼ける子だこと」

など、いろいろと出てきて、大変に興味深かったです。

なかでも、

「まったく、かわいい子ね」

ですとか、

「大好きよ」

などは、なかなかの名訳だったように思います。優しい母親の声が聞こえてきそうですね。

 

 

こうやって、異国の文化も自国の文化と同じようなまなざしで捉え直して吸収していくこと。これは英語学習の上でも役に立つことと思います。

皆さんは、どんな風に和訳するでしょうか。どうぞ、親子で楽しんでお試しください。

 

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