- カテゴリ
皆さん、こんにちは。学びの庭・塾長の柳です。
今回は、昨日おこなった超少人数の社会特別単科講座についてお伝えします。
「琵琶湖の面積は、滋賀県の面積の何分の1だと思う?」
… 日本地理・近畿地方の学習です。
九州地方を教えた時と同様に、まず、何も調べずに近畿地方の地図を描いてもらい、そこに琵琶湖や、大阪、京都、奈良の都市を書きいれていきました。生徒さんのなかには、京都と奈良、どちらが北でどちらが南だか分からない、という人もいました。まずはそうしたところから足固めです。
その後、正確な白地図を配布し、電子黒板を使いながら、都道府県名や県庁所在地名、半島、山地、山脈、平野、盆地、高地、河川などの名前を次々と確認していきました。上野盆地、福知山盆地、養老山地、六甲山地など、中学生の学習としてはかなり細かいものまで教えていきました。
そんななかで、冒頭の発問です。「琵琶湖の面積は、滋賀県の面積の何分の1だと思う?」 2分の1から9分の1のうちのどれかだよ、とヒントを与えてから、全員参加で挙手してもらいました。生徒さんたちの人気は、2分の1、3分の1、4分の1でした。
…実はこの答えは、6分の1です。(意外と滋賀県の陸面積、大きいですね。…あ、「意外と」は、滋賀県民の方がたに失礼でしたね。あくまでも、琵琶湖の存在感が大きいということで、…。)
さて、この滋賀県について、さらにいろいろなことを話しました。琵琶湖、近江盆地、安土城、信楽焼、紫香楽宮、甲賀忍者、「大津」の“津”の元来の意味、などなど。
そんななかで、伊吹山地の話になり、「ここは古事記では、日本武尊(倭建命)が、とある大きな獣に息を吹きかけられて、それがもとで体が弱って亡くなったと言われているところだよ。いったい何の動物だと思う?」と、神話・伝承にまつわる話にまで至りました。
「クマ?」
「龍?」
「ゾウ?」
「パンダ?」
など、いろいろな動物が挙がって、なかなか活気がありました。
…この答えは、猪(イノシシ)です。(だから、“イブキ”山地なのでしょうか?)
ところで、学校の歴史の先生方のなかには、こうした話を「神話に“過ぎない”」などと蔑む方もいらっしゃるようですが、塾長はまったく異なる意見を持っています。形而下の物証だけで語る歴史よりも、長く語り継がれてきた神話のほうが、もしかしたら民族やコミュニティーの、より深い知恵が詰まっている可能性があるかもしれないのですから。神話と歴史を混同することは避けなければなりませんが、神話は貴重な文化伝統です。誰もが大切にしたほうがいいと思います。
それにしても、多くの生徒さんたちは、わが国の神話について、ほとんど何も知らない状態ですね。なかには「日本に神話なんてあるんですか」と言ってきた生徒さんもいるくらいです。イザナギ・イザナミの神話。アマテラス・ツキヨミ・スサノオの神話。オオナムジ・スセリヒメの神話。ニニギ・コノハナサクヤヒメの神話。ホオリ・ホスセリ・ホデリの神話。トヨタマヒメ・ウガヤフキアエズの神話。イワレビコ・ナガスネヒコの神話。ヤマトタケル・オトタチバナヒメの神話。…
日本の神話は、実に豊饒な世界です。塾長のような、ニワカ知識の人間にも、それは分かります。これを知らないなんて、もったいないことです。皆さんも、簡単な本で(絵本でも)構わないので、ぜひ何か読んでみてください。
さて、近畿地方の話に戻りますが、もちろん、その後、滋賀県以外の府県についても、たくさんのことを確認しました。テストに出やすい、紀伊山地、紀ノ川、淀川、リアス海岸、みかん、梅、柿、真珠、阪神工業地帯、関西国際空港、京友禅、西陣織、清水焼、…。
こうしたことをテスト形式のプリントで確認し、繰り返し、定着まで図りました。学校の課題にも触れ、またも充実の単科講座であったと自負します。参加してくれた塾生は、ぜひ家でノートやプリントの見直しをしてみてください。必ず大いに役に立つことと思います。
5月末までの「学びの庭」の特別単科講座に、これから参加を希望する塾生は(外部生も)、ぜひ塾長に連絡してください。
今回の特別単科講座は、破格の受講料設定です。(2時間で税込1,000円です。こんな塾、他にありますか?)
コロナ禍で大幅に失われた教育チャンスを、一人でも多くの生徒さんが、ほんの少しでも取り戻せますように。