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皆さん、こんにちは。学びの庭・塾長の柳です。
今日は、小学生の授業でのことをお話します。
学びの庭では、国語、算数、生活(理科・社会)、英語、すべての科目に対応して、生徒さんの現実を広げたり、知識や理解を深めたりしています。
とはいえ、何といっても、基礎は豊かな国語力。国語は、普段から本人がどれだけ深く本を読んでいるかや、普段から学校や家庭でどれだけ豊かな言葉を使ってコミュニケーションをとっているかなどが試される科目でもあります。
先日、個別指導授業の最後、小学3年生の男子生徒さんに、こんな問題を出してみました。
〇〇〇〇笑う。
この空欄に入るオノマトペ(擬音語・擬態語)を、できるだけたくさん書き出してごらん、と。
塾長は、言葉の説明をした後、例として「『げらげら』笑う」というものを挙げました。
ですが、生徒さんは、「元気に笑う」「大声で笑う」など、うまくオノマトペにならず、どうにもやりづらそうにしていて、しまいにはどんよりと曇った顔になって「先生。これ、つまらないから、もうイイよ。やめよう」などと言い出す始末。
塾長としては、せっかくの機会だったので、そのまま生徒さんの言いなりにはなりたくありません。
そこで、ちょっと目先を変えて、「じゃあ、『○○○○食べる』にしたら、できるかな?」と、問いを少しずらしてみることにしました。
すると、生徒さんは想像がしやすくなったのでしょうか、俄然やる気になって、
がつがつ食べる。
もぐもぐ食べる。
がりがり食べる。
むしゃむしゃ食べる。
がぶがぶ、…これは飲むだなあ…。
などなど、次々と挙げてくれました。
「〇〇〇〇食べる」に変えたとたん、この言語遊戯が楽しくなったらしく、「先生。これ、また次の授業でもやって!」と生き生きと輝いた顔で言ってくれました。
想像力や表現力の幅を広げてほしくて、今回は隙間時間にこんなことをやりましたが、それにしても、生徒さんが盛り上がる、良い発問をすることの大切さもまた身に沁みてわかりました。
別の日の小学生の個別授業でも、他の生徒さんに同じような発問をしてみました。ところが、その生徒さんの場合は、「〇〇〇〇食べる」ではうまくいきませんでした。そこで塾長は思案投げ首、今度は、即座に「〇〇〇〇話す」に切り替えてみました。すると、堰を切ったようにさまざまなオノマトペが出てきました。そのなかでも、とりわけ、
はきはき話す
などという、塾長も想定していなかった豊かな語彙が出てきましたので、大いに称揚しました。お子さんによって、想像力を広げやすい方向もさまざまなようです。これからの授業でも、対話からそうしたものを探りつつ、生徒さんの可能性をできるだけ多く引き出していきたいと願っています。
さて、とはいえ、こうした、言葉に関する活動の根幹(土台作り)は、本来、家庭が担っているものです。塾長は、このコロナ禍で、小学生の教科書の日々の音読がおろそかになっている可能性が高いことが、実は一番心配です。小学生の生徒さんの場合、音読をしてもらえば、学力はほぼ分かります。計算ドリル・漢字ドリルの出来ではないのです。
親御さん。どうぞ、幼児期だけの読み聞かせで終わらずに、児童期にも、さらにその先でも、ぜひ、一緒の読書活動をしていってください。親子で同じ本を読む。感想や疑問点を言い合う。セリフをお互いに読みあう。折に触れて話題にする。とっても楽しい時間が過ごせますよ。