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皆さん、こんにちは。学びの庭・塾長の柳です。
塾長は、最近読んだ文章のなかで、人は付加情報があった方が事物を記憶できるという主張に出会いました。
なるほどその通りだと思いましたので、塾長なりに少しかみくだいて紹介いたします。
たとえば、何も知らない人に、
「明智光秀と、豊臣秀吉と、織田信長の、三人を、亡くなったのが早い順に覚えなさい。答えは、織田信長、明智光秀、豊臣秀吉、だよ。」
と言っても、丸暗記をするだけなので、間違えてしまうかもしれませんし、数日後には思い出せないかもしれません。
しかし、もう少し情報を手に入れて人物のイメージやストーリーを理解している人は、
「織田信長は明智光秀に本能寺の変で殺されるし、その明智光秀は羽柴(豊臣)秀吉が山崎の戦いで破って亡き者にして、その後、豊臣秀吉は天下人にまで登りつめるのだから、信長、光秀、秀吉、の順で間違いないぞ。」
と思い起こせるわけです。
訊ねられることよりも多くの情報があった方が自然と頭のなかに入り、思い起こすことも容易になるという例です。
前者のような“やせ細った”やり方は、安易な丸暗記でテスト対策をしてしまう生徒さんにおいてしばしば見受けられますし、後者のような“豊かな”やり方は、好奇心が旺盛な生徒さんや、きちんと理解を深めつつ学習している生徒さんにおいてしばしば見受けられます。
もちろん、後者の方が、本来的な学習でもありますし、テストでも当然良い結果が得られます。そして、何より、こちらの方が負荷が少なくてラクです。
不思議なことに、苦手なお子さんほど、大変なやり方でやろうとする傾向があります。ここでいう「大変なやり方」というのは、「ラクをしようとしてかえって苦労をしてしまうやり方」という意味です。
英単語を覚えるときもそうです。たとえば、from…の意味を「…出身」とだけ覚えている生徒さんが最近多くて塾長は驚いているのですが、これでは、他の場合のfrom…には全く歯が立たないことでしょう。drawを「描く」とだけ覚えているような生徒さんも同様です。
そういった人たちには、次のような英文はいったいどういう意味になってしまうのでしょうか。
It took us about one hour from London to Oxford by train.
(迷訳:ロンドン出身の私たちは列車によってオクスフォードに約1時間連れていかれました。)
Go to the dentist’s to have your tooth drawn.
(迷訳:あなたの歯を描いてもらうために歯医者に行きなさい。)
これでは困ってしまいますね。
ぜひ、そもそも学習とは何のためにやるのかを思い返して、(テストで点を取るためだけ、○○高校・○○大学に合格するためだけ、のものではありませんよね。)、本来的な学習スタイルで、学びそのものを楽しんでいきましょう。