TOP > 新着情報 > お役立ち塾長日記 > 夏期講習、終了! 繕う美について。

夏期講習、終了! 繕う美について。

カテゴリ

皆さん、こんにちは。学びの庭・塾長の柳です。

 

立秋を過ぎて、ここ信州では、ようやく暑さの凌ぎやすい時候となりつつあります。

そのようななか、先日、無事、夏期講習終了いたしました。

 

連日、数時間にも及ぶ授業についてきてくれた生徒さん、お疲れさまでした。

いや、それ以上に、連日、何時間にも渡り授業をやり続けた塾長先生(=要するに自分)、お疲れさまでした。

 

どうか塾生の皆さんは、「やったつもり」の学習にならないよう、塾のテスト範囲表や、学校のテスト範囲表と照らし合わせつつ、懈怠(けたい)なく復習して、実力向上に努めていきましょう。

 

 

さて、今日は、「間違い」「訂正」というものについて、お話をいたします。

高校生の現代文を、教科書を使って指導していたときのことです。

本文は、とある著名人が国連の仕事でコソボを訪れたときのことについてのものでした。それ自体は、一向にかまいません。時事的な事象を採り上げた随筆文です。

問題は、その本文に添えられた、おそらくは教科書会社が製作したと思われる、旧ユーゴスラビア地域の地図にあります。

職業病でしょうか、塾長は一目見るなり、何やら奇異な地名が目に入ってきて、違和感にとらわれました。

レオグラード。

そこにはそう書いてありました。

本当にそんな名前の町があるのでしょうか。すぐに地図を出して調べてみたのですが、やはり、そんな名前の町はありません。

どう見ても、そこはこの地域で最大の都市・ベオグラードの位置でした。

 

…はたして、ここで塾長はいったい何が言いたいのでしょう。

 

別に教科書の間違いを鬼の首でも取ったかのようにあげつらうというつもりはありません。

そうではなくて、教科書会社ともあろうものが、いえ、それを検定している文部科学省ともあろうものが、こんな初歩的な誤記を見逃してしまっているというお粗末さ加減が、日本の教育状況として、情けない限りだと思うのです。

人間ですので、間違えることはあります。塾長も、この塾長日記ではずいぶんと誤字や誤記をおかしていると思います。しかし、文科省のお墨付きの教科書ともなれば、超一流(と思われる)エリート集団が、複数の目で、検定にかかわっているはずです。それが、このような体たらくでは、日本の行く末が案じられるのです。

 

文科省のいったいどこのどなたにこういった内容の間違いに関する責任があるのでしょうか。そして、どう責任を取っているのでしょうか。教科書検定で、日本の歴史教科書が(おそらく不当に)歪められてきているのも、こうした無責任体制にこそ、その根源があるのではないでしょうか。

 

間違えてもいいのです。きちんと訂正をして、襟を正していけば。兎角、自己の無謬性に閉じ籠もる“エリート”は、自身の間違いを外に向けて認めたがらず、真摯な反省と充分な訂正をしようとしないですね。(戦後左派“エリート”に多いような気がします。困ったものです。)

 

ロラン・バルトは、日本の家屋は壊れて修繕した「あと」の方がより一層美しくなると言っていました。(破れた襖や障子に花や紅葉の形をした紙を貼って繕うことを指していたのだと記憶しています。)

 

塾生の皆さんも、自分の学習ノートが、ただ単にきれいな丸ばかりが並んでいるようでは、あまり意味がありませんよ。(それは、簡単すぎるレベルの演習ばかりをしているか、あるいは、解答を見て、消しゴムを使って書き直して、チャッカリ正解の赤丸をつけてしまっているかの、どちらかです。…ま、まさか、すべて最初っから解答を写して、丸をつけているなんて人、居ないですよね…???)

それよりは、やり直したのちに正解したときの青ペンでの丸や、誤答訂正・解法ポイント・注意ポイントを残した赤ペンの文字がたくさん残っているノート、そちらの方が何倍も意味があり、何倍も美しいノートですよ。

 

⻑野県⼩諸市の完全個別指導・超少⼈数指導 ⼩・中・⾼・既卒・社会⼈
学びの庭
manabinoniwa.com


〒384-0093
長野県小諸市和田897-2
TEL:0267-24-8688

お問い合わせはこちら