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鴨長明から、漱石・熊楠へ。

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皆さん、こんにちは。学びの庭・塾長の柳です。

 

今回は、前回の塾長日記の補遺です。

 

所謂三大随筆の一つである鴨長明『方丈記』

塾長は以前、娘のために書いたユーモア小説の中で、この冒頭部分をモチーフとしたことがあります。

 

 ①鴨長明の原文、

 ②夏目漱石による英訳、

 ③夏目漱石英訳からの日本語訳、

 ④南方熊楠による英訳、

 ⑤南方熊楠英訳からの日本語訳、

 

という五つを作品内で俎上にのせ、それぞれの特徴をあぶり出してみたのです。

 

物語そのものは、川でボート遊びをしている三人の登場人物が巨大な鯉に飲まれるというノンセンスなドタバタ劇なのですが、随所随所に、歌川広重『江戸名所百景』、オディロン・ルドン『キュクロプス』、『ハリー・ポッター』、ピノッキオ、エッフェル塔、エレベーターの歴史、ニーチェ『ツァラトゥストラ』、漱石『こころ』のKのセリフ、狂言『附子』などの話題を鏤めて、最後には二重に掛け詞を用いた大和歌(戯れ歌に近い)の創作へといたる、壮大(?)な物語としました。

 

さて、なぜわざわざ塾長はこの場でこのような話をするのでしょうか。

答えは一つ。

塾生の皆さんには、教科書にないもの参考書にないもの― あえて、こう言ってもいいです、すなわち、「テストに(直接的には)出ないもの」  ― に、大いに触れてもらいたいからです。

「点数になるところだけ学ぶ」というような、ケチで貧しい価値観を持ってもらいたくないからです。

(もちろん、教科書もつぶさに読み込んでいけば大変に深いものが書かれていますので、そういう意味で熟読玩味するのは結構ですが。)

 

実際、知的な人は、さまざまなことを良く知っていますよね。それらが網の目状に回路を作っていて、問題解決の糸口となっているのでしょう。

 

塾生の皆さんも、何でも吸収して、あらゆることの糧としてください。

役に立たないことなんて、ないでしょうから。

 

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