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『十六夜日記』と『読書について』。

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皆さん、こんにちは。学びの庭・塾長の柳です。

 

昨晩は、満月でしたね。中秋の名月、皆さんはご覧になりましたか。

ここ信州では、秋の虫の鳴き声のあちこちに聞こえるなか、皓々と光る満月が、実に冴え冴えと見えました。

今晩は、十六夜(いざよい)。

中世の紀行文日記 『十六夜日記』には、

 

ゆくりなくあくがれ出でし十六夜の月やおくれぬ形見なるべし

 

めぐりあふ末をぞ頼むゆくりなく空にうかれし十六夜の月

 

とあります。『伊勢物語』の東下りにも似た、都に残された者や、都を離れた者の、心細さや健気さが感じられますね。

月を見るということは、三笠の山の月への思いを詠った阿倍仲麻呂以来(?)、離れたところに居る者もいま自分と同じように月を見ているのだろうか、と思いを馳せる、そういう行為なのかもしれません。

ところで、ゆくりなく、の言葉の意味は、塾生の皆さん、各自、調べておいてくださいね。

 

 

さて、テスト明けの今週は、中学1、2年生に、国語の記述問題へのチャレンジをしてもらっています。

ショーペンハウアーの『読書について』の一部を読み、著者の考えをつかみ、賛成・反対を表明し、その理由や、さらなる主張をしてもらう、という課題です。

数年前にも実施したことのある課題です。

 

結果、数年前と比べ、今年度の中学1、2年生の生徒さんたちは、まず、筆者の意見をきちんと理解できていませんでした。たとえば、比喩を比喩のままとらえてしまったりキーワードが見つけられなかったり、対比(対概念、二項対立)がつかめていなかったり、…。

 

つまり、定点観測的には、読解力が下がっているのではないかと懸念されます。ただ、このことだけでの即断は避けることといたします。

とはいえ、何にしろ、国語の読解力は、すべての科目の土台です。今後も、こうした機会を設けていければと考えています。

 

ちなみに、塾長の考えた解答例は、きちんと授業時に生徒さんたちに伝えています。

そして、その解答例から、どこをどう読み込んで整理していけばよいのかを板書し、キーワードや対概念の図をノートに取ってもらっています。

鍛えた先に、大いなる成長が待っていることを期待しつつ。

 

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