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皆さん、こんにちは。学びの庭・塾長の柳です。
今日は9月9日。重陽の節句です。
塾長は、娘が小学生だった頃、よく一緒に同じ本を読んでは、感想や意見の交換をしていました。
(いまは娘の読書のスピードにまったくついていけていません…。)
娘が小3の頃、一緒に上田秋成『雨月物語』の9つの挿話を小学生版で読んだことがあります。
そのあとで、どの話が一番面白かったかを「せ~の!」で、言いあったところ、
「菊花の約(ちぎり)!」
と一致した記憶があります。
内容は怖い話なのですが…。
この「菊花の約」は、こんな話です。
深い友情の絆を持った二人の男が菊花の節句(9月9日)に再会することを約束する。一方は準備を整え一途に待ち、もう一方は遠く離れた城に監禁されているために約束を果たそうにも果たせない。
…これって、ちょっと、太宰治のあの小説(塾生の皆さん、どの小説だか分かりますね?)にも似ていますね。
太宰もいいですが、こちらはもっと壮絶です。
『雨月物語』・「菊花の約」を知らない人は、ぜひ読んでみてください。
さて、そののち、角川ソフィア文庫のビギナーズ・クラシックス 日本の古典 『雨月物語』も、娘と一緒に読みました。
このシリーズは、原文にも触れることができ、解説やコラムもあり、とても読みやすくて良いですね。
こちらで読んでみると、西行が崇徳院の霊と出会う「白峯」や、絵の上手な僧侶が生死の境で金色の鯉と化す「夢応の鯉魚」など、どれもこれも魅力的な作品であると再度気づかされます。(後者は長野県の公立高校入試問題に出題されたことがあります。)
今日は小望月。明日は中秋。十五夜です。
秋の夜長に、わが国の古典を繙(ひもと)くのも、すてきなことだと思いますよ。