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皆さん、こんにちは。学びの庭・塾長の柳です。
今回は、中1の国語について、お話します。
話題が“中1続き”で済みません。
とはいえ、他学年でも必ず役に立つお話です。
どうぞ、お聞きください。
先日、教科書準拠の問題集で、
物語『星の花が降るころに』(安東みきえ作)
の読解問題を指導しました。
本文中に「ぎこちない」という語があったので、
生徒さんたちに意味を訊いたのですが、
ほとんどの人が説明できませんでした。
設問の傍線部に含まれる言葉でしたので、
この意味を辞書で引いたり、
いろいろと別の表現に置き換えたりして、
答えを導く授業を展開しました。
その際、
「言動に滑らかさがない」、
「スムーズでない」
「ギクシャクしている」
などの置き換えをしていったのですが、
驚くべきことに、複数の生徒さんが、
「ギクシャクしている」という語を
聞いたことがない、と言ってきました。
私たち大人の世代が思っている以上に、
中学1年生の語彙の範囲は狭いです。
「Yes/No」「〇/✖」といったデジタルな言葉で
日常の用が足りているからでしょうか。
ここでは細かな因果関係の証明はしませんが、
これは他学年にも共通して言えることでしょう。
そういえば、
夏期講習の小説読解でも、本文や設問のなかの
「早のみこみ」「涙もろいたち」などが、
どこで区切れる言葉かさえ掴めなかった、
ということがありました。
「早の、見込み」「涙、モロ、鼬(イタチ)」では
困ってしまいます。
これではとても選択肢の精査はできませんし、
ましてや、
記述問題で的を射た解答を作ることなど、
できようはずもありませんね。
では、どうすれば良いのでしょうか。
簡単です。一つひとつの言葉をゆるがせにせず、
日常の言語生活を送ったり、
読書を充実させたり、
辞書を引いたり、
例文を自分で作ってみたりすればいいのです。
「ゆるがせ」
…中学生の生徒さんたち。意味、分かりますか。
すぐに辞書を引いたり、
他の語に置き換えたり、
自分なりの例文を作ったりしてみてくださいね。
さらに、中1生の皆さんは、
『星の花が降るころに』のなかでも出てきた
「あたかも」という語を使って、
正しい例文をぜひ作ってみましょう。
良い勉強になりますよ。
保護者様へ
「学びの庭」では、要所要所で
言葉の意味をノートに残してもらいながら
授業を展開しています。
(こうした意義深いことを充実してやれるのも、
中1のいまのうちだけかもしれません。
どんどん忙しくなるでしょうから。)
ご家庭でも、語彙の拡がる環境づくりを、
どうぞ、なさってください。
まずは、お子さんが「Yes/No」で答えるだけ
では済まないようなお声掛けを、普段から
心がけてください。
それだけでも、随分と違ってくると思います。